Posted by ますお on Nov 5, 2009 – 5:20 pm
レンダラ込みのrelightingツールだそうです.
The Bakery
デモを見せてもらったのですが,まだリリース版ではないものの,とてもよく出来ていました.簡単に言ってしまえば,先日のKatana + renderer + relighting engineと言った趣きです.Katana同様,簡単なcompもできるようになっています.レンダラは専用で,外部の物(PRManとか)を使うことはできないそうですが,専用のレンダラを使うだけあって,ツールとrelightingエンジンとの連携は素晴らしく良かったです.
レンダラはREYES + レイトレで,必要そうな機能はほぼ実装済みな感じでした.curve primitiveやpoint primitiveも使えるそうです.relightingのシステムとしては,レンダラがREYESであることからも分かるように,初めにmicro polygonに分割し,その情報をキャッシュしておいて,シェーディングとサンプリングの再計算を高速にするタイプの物です.PRManのそれと基本的には同じですが,PRManよりもいろいろな事ができるようになっていました.(というかPRManのrelightingはまだオマケみたいなもん)
最初にカメラからmicro polygon化してしまうので,視点の変更が起こるともう一度bakeし直す必要がありますが,実際のshot workではあまり問題にはならないでしょう.カメラは動かせませんが,displacementシェーダの変更には対応しているそうです.shadowも変更できるようですが,shadow mapが基本なようで,レイトレを使うとさすがに多少スピードダウンしてました.他にも,SSSやGIの変更にも対応していますが,これらはpoint cloudを使っていて,それをon-the-flyで再生成するのですが,オブジェクト毎にうまくローカライズされており,非常に素早いフィードバックが得られるようになっていました.他にもspherical harmonicsを使ったlighting情報をpoint cloudに保存できるなど,なかなか使いでのありそうな機能が搭載されています.例えば,IBLとかblurry reflectionに使えますね.
拡張性もなかなか良さそうで,shading networkも組めるし,custom shaderもC++や独自のshading languageで書けるそうです.procedural geometryもサポート.bakeするデータもカスタマイズ可能で,好きなデータをプラグインできるらしい.
話を聞いていて,PDIのやつに良く似てるなーと思っていたのですが,どうやらCEOとCTOは元PDIの人らしい.デモをしてくれたのも彼らだったのですが,同僚に顔見知りがいました.特にCEOはeffects leadだったようで,現場で必要そうな物をきちんと揃えているのはそういうことみたいです.
ただし,全体的にやはり3DCG feature向けな印象が強く,shadow mapやpoint cloudを多用する辺り,photorealにするには一手間かかりそうな感じはします.あと,ツールとレンダラがほぼ一体化しているので,既存のパイプラインに組み込むのが簡単ではないかな.ほぼ構築し直しになりますね.
自前で作る時の良いお手本にはなりそうです.
Posted by ますお on Nov 1, 2009 – 4:49 pm
うわーー マジっすか!
Nukeの開発元であるFoundaryが,Imageworksで使われているライティングツール,Katanaを買ったそうです.交渉中という噂は聞いていたんですが,実現するとは…
fxguide – flame:shake:fusion – Foundry Acquires Katana from SPI for Nuke
KatanaはImageworksで数年前から開発および使用されている,ノードベースのライティングツールです.ライティングツールでノードベース,というとピンと来ないかも知れませんが,簡単に言うと,「assetを読み込む」「ライトを置く」「シェーダをアサイン」「オブジェクトを隠す」「パラメータを変更」など,それぞれのコマンドをノードとして表現し,それらを手順としてつなげて行く事で,一つのプロセスとしてノードツリーを定義し,実行する,という感じのツールです.
Katanaはかなりの部分がPythonで書かれていて,fully scriptableで柔軟性もあり,GUIも使いやすく,かなり良くできたツールでした.自分がImageworksに在籍していた当時は色々と問題もあったのですが,あれから随分とブラッシュアップされているらしく,最近のバージョンではshading networkまで組めるようになっているとか.
記事を読む限り,Katanaを単体のアプリケーションとして売るわけでもないようですし,すぐにNukeにライティングモジュールとして搭載されるというような事でもないみたいですね.徐々にintegrateしていくという話のようです.Katanaのアイディアやツールとしてのシステムデザインを抽出するような感じでしょうかね.加えて,最近の大手スタジオのNuke移行に並び,ImageworksもNukeを使ったパイプラインに移行してゆく話が書かれています.
Imageworksは古い自社製のcompツールを(恐らく)まだ使っていて,Katanaにもある程度の事ができるcomp機能が付いていたし,Shakeのソースコードを買ったりしていたのですが,どうやら自前で整備して行くのはやめたようですね.compツールの開発はFoundaryに任せ,Katanaをそこに載せる事でそれを補完する,というのが作戦みたいです.今後,立体視作品の仕事が増える事も考えると,ネイティブに3D空間をサポートしているNukeとのコンビネーションは,なかなかいい.
ただ,Katana + Nukeがどのスタジオでも使いやすいか,と言われると,Yesとは言えないと思います.Katanaは完全にライティングに特化されたツールなので,それ以外の部分はライティング以前のパイプラインで完結しておかなければなりません.つまり,ある程度しっかりしたasset managementが出来ており,かつ分業化されている環境でないとfitしないんじゃないかな.
さて,Nukeのオリジナルの開発元,DDはどうするんでしょうねー.まあ,売っぱらってしまった以上どうしようもないんですけど,なんか寂しい感じもします.まあ,書いた人はもうDD社内にはいないんですけどね.
CTOがRob BredowになってからのImageworks,攻めの姿勢で面白いです.
Posted by ますお on Oct 29, 2009 – 12:26 pm
アメリカのH-1Bが余ってるそうです.
米移民ビザ「H-1B」、半年経過も枠埋まらず – IT企業の採用抑制が影響 | 経営 | マイコミジャーナル
朗報に聞こえるかも知れませんが,実はそうではなくて,それだけ外国人がアメリカで働ける機会が減っているという事です.
実際,我々の業界で言えば,大手スタジオがやるような仕事はとても少なくなっており,外国人のみならず現地の人に対してもほとんど雇用を進めていません.代わりに中小がやるような仕事が増えていますが,中小スタジオはあまりビザサポートをしてくれる所が多くない.加えて,様々な理由からアメリカ国外に発注する作品も多くなりましたし,国外に支部を持つスタジオも増えています.
ただ,逆の見方をすれば,アメリカ以外の国で働ける機会が増えているとも取れます.イギリスなどは大手も含めてたくさんのプロジェクトを抱えているようで,積極的に雇用を進めているそうです.最近はカナダも元気ですね.
十年ほど前は,「VFXと言えばアメリカ」という認識が一般的であったと思いますが,それももう正しくありませんね.英語圏は人も技術も流動的に動いているな,と感じます.アジアでもシンガポールやインドはある意味英語圏ですから,これからの成長スピードは早いんじゃないかな.
その中に日本を組み込む方法,ないですかねえ.
Posted by ますお on Oct 2, 2009 – 3:05 pm
発表されましたね.
mental images: Integrated iray® rendering
少し前に会社でデモをしてもらったのですが,技術としてはなかなか興味深い物でした.特徴を挙げるとすれば:
- フルにGPUで動くpure raytracer
- レンダリングサーバと表示マシンはどこにあってもOK
- ウェブブラウザからも起動できる
- ほぼリニアにスケール
ただ,今のところかなりプリミティブな物のようで,製作に使えるような代物ではなさそうでした.例えば:
- カスタムシェーダーが使えない(付属の数種類のみ)
- テクスチャはすべてGPU側でon memoryでなければならない
- no motion blur
あと,要求されるレベルのグラフィクスカードがあればサーバなしでも動くそうですが,$2000クラスの物が必要なんだとか.作業マシン全部に入れるには厳しい値段だし,それなら同じ金額でマシンをもう一台買いたいところです.
まあ,mental imagesが管理しているmentalrayライセンスの中で,entertainment業界が占める割合はかなり低いようですから,irayが即戦力になる市場もそれなりにあるんだと思います.建築業界なんかモロですよね.
GPUレンダラ関連は,まだうちらには早いかなー.
Posted by ますお on Sep 16, 2009 – 6:09 pm
CinemaDNGは,デジカメで使われるDNGフォーマットの動画版です.
アドビ、高画質RAWビデオ規格「CinemaDNG」のベータ版を公開 – builder by ZDNet Japan
これからデジタルにシフトして行くであろう映画産業においても,こういった規格の統一はなされた方がいいとは思いますが,Adobeって実はハイエンドだと出番少ないんですよね.最後の編集をPremiereでやった,ってのはあまり聞かないですし.
静止画向けのDNG形式も一般に普及しているとは言い難いし,これもどうかなあ.支持している企業のリストにSony,Panasonic,RED,Thomson等がありませんしねえ.ただ,今のデジカメ業界のように,新しい機種が出る度に個別対応しなければならないのは馬鹿げてると思うので,早いうちに統一されて欲しい.
AvidとかAutodeskも参加してくれば,もう少し動きが大きくなりそうです.