ファイナルアンサー?
以前の報道で,廃棄される事が決まったと読みましたが,今度こそ生き延びたみたいですね.
良かった良かった.
SIGGRAPH Asia 2009にSketchが通りました.
SIGGRAPH Asia 2009 Advance Program (PDF)
Sketches
Thursday, 17 December, 9:00 AM – 10:45 AM
Production Session 1: Pipeline
Earthquake! Building a Pipeline to Destroy Los Angeles in “2012”
Haarm-Pieter Duiker
Rito Trevino
Osiris Perez
Masuo Suzuki
Digital Domain
内容は,”2012″で使われた,ライティング及びレンダリングパイプラインについてです.このプロジェクトは物量が凄かったので,今までのものでは対応しきれず,新しく作り直す必要がありました.自分はその中でPRMan用のDSO pluginを書いただけなのですが,幸運にもauthorに入れてもらえました.残念ながら自分は喋りに行けませんが,代わりに同僚がプレゼンをします.
自分の書いたDSOは,effectsがHoudiniで作成したbgeoフォーマットのジオメトリを,直接PRManで読めるようにするための物です... っと書くと簡単なんですが,レンダリングするためにはマテリアルやテクスチャ,その他attributeのアサインを全部やらなければならず,形状だけ読み込んでOK,というわけにはいきません.モーションブラーのサポートも必要です... っと書くと今度はすごく大変そうですが,そうでもありません(笑).
ちなみに別の同僚はPosterに入っています.
Volumetric Texture for Fissure in “2012”
Tadao Mihashi
Haarm-Pieter Duiker
Digital Domain
セッションの詳しい内容はここでは書けませんので,参加される方は是非聞いてみてください.
“2012″を観てきました.
Roland Emmerich監督作品で,彼の大好きなdisaster movieです.今までも色々と撮りましたが,今回はそりゃもう凄いレベルでdisaster.VFX好きな人は必ず観ましょう.まあ,正直ストーリー自体は寝てても解るような物でしたが,映像は必見です.
VFXはUncharted Territory,Imageworks,Scanline,Double Negative,Digital Domain等が製作していました.全般的にクオリティはとても高いのですが,やり過ぎな所が逆にリアリティを失わせている感じはします(これはこの作品に限った事ではないのですが).印象に残ったのはScanlineの津波,Double Negativeの爆発,DDの破壊,ですかね.エフェクトの種類がそれぞれ違いますが,どれも甲乙付け難い出来でした.
自分はUncharted Territoryというスタジオをこの作品で初めて聞いたのですが,どうやら一風変わった会社みたいです.
Uncharted Territory, LLC – Home
この会社はVFX請負スタジオではなく,作品のプロデュースから手がける会社で,VFXワーク「も」できます,というスタンスらしい.しかもアーティストや設備は,そのプロジェクト毎にビルドアップし,終わったら解散して設備も売却,という形をとるようです.全員project hireって事なんだろうか?ちょっと怖い感じもしますが,経営的には無駄がなくていいんでしょうねえ.
当然,腰を据えた開発などはせず,サードパーティー製のツールをかき集めて作業するみたいですね.ショットはとても良くできていました.彼らと同じツールは誰でも手に入れる事ができるわけで,使う人が使えばあのクオリティが出せるんですねー.道具はあくまで道具,という事を改めて感じます.
さて,この作品は自分も関わっていましたが,プロジェクトの初期に短期間だけだったので,クレジットはされていません.その代わり,と言ってはなんですが,来月のSIGGRAPH Asia 2009に,”2012″関連のSketchが通りました.これについては別エントリーで詳しく書きます.
最後にメイキングのリンクを… と思ったのですが,スギログさんの所にとても良くまとまっていましたので,それを拝借(笑).あと,DDのVFXについて詳しい記事を見つけたのでついでに.
スギログ(sugilog): 『2012』のメイキング情報まとめ
スギログ(sugilog): 『2012』のメイキング記事(新着)
CGSociety – 2012
日本でも来月公開なようですね.”I love VFX”な人は是非.
レンダラ込みのrelightingツールだそうです.
デモを見せてもらったのですが,まだリリース版ではないものの,とてもよく出来ていました.簡単に言ってしまえば,先日のKatana + renderer + relighting engineと言った趣きです.Katana同様,簡単なcompもできるようになっています.レンダラは専用で,外部の物(PRManとか)を使うことはできないそうですが,専用のレンダラを使うだけあって,ツールとrelightingエンジンとの連携は素晴らしく良かったです.
レンダラはREYES + レイトレで,必要そうな機能はほぼ実装済みな感じでした.curve primitiveやpoint primitiveも使えるそうです.relightingのシステムとしては,レンダラがREYESであることからも分かるように,初めにmicro polygonに分割し,その情報をキャッシュしておいて,シェーディングとサンプリングの再計算を高速にするタイプの物です.PRManのそれと基本的には同じですが,PRManよりもいろいろな事ができるようになっていました.(というかPRManのrelightingはまだオマケみたいなもん)
最初にカメラからmicro polygon化してしまうので,視点の変更が起こるともう一度bakeし直す必要がありますが,実際のshot workではあまり問題にはならないでしょう.カメラは動かせませんが,displacementシェーダの変更には対応しているそうです.shadowも変更できるようですが,shadow mapが基本なようで,レイトレを使うとさすがに多少スピードダウンしてました.他にも,SSSやGIの変更にも対応していますが,これらはpoint cloudを使っていて,それをon-the-flyで再生成するのですが,オブジェクト毎にうまくローカライズされており,非常に素早いフィードバックが得られるようになっていました.他にもspherical harmonicsを使ったlighting情報をpoint cloudに保存できるなど,なかなか使いでのありそうな機能が搭載されています.例えば,IBLとかblurry reflectionに使えますね.
拡張性もなかなか良さそうで,shading networkも組めるし,custom shaderもC++や独自のshading languageで書けるそうです.procedural geometryもサポート.bakeするデータもカスタマイズ可能で,好きなデータをプラグインできるらしい.
話を聞いていて,PDIのやつに良く似てるなーと思っていたのですが,どうやらCEOとCTOは元PDIの人らしい.デモをしてくれたのも彼らだったのですが,同僚に顔見知りがいました.特にCEOはeffects leadだったようで,現場で必要そうな物をきちんと揃えているのはそういうことみたいです.
ただし,全体的にやはり3DCG feature向けな印象が強く,shadow mapやpoint cloudを多用する辺り,photorealにするには一手間かかりそうな感じはします.あと,ツールとレンダラがほぼ一体化しているので,既存のパイプラインに組み込むのが簡単ではないかな.ほぼ構築し直しになりますね.
自前で作る時の良いお手本にはなりそうです.
うわーー マジっすか!
Nukeの開発元であるFoundaryが,Imageworksで使われているライティングツール,Katanaを買ったそうです.交渉中という噂は聞いていたんですが,実現するとは…
fxguide – flame:shake:fusion – Foundry Acquires Katana from SPI for Nuke
KatanaはImageworksで数年前から開発および使用されている,ノードベースのライティングツールです.ライティングツールでノードベース,というとピンと来ないかも知れませんが,簡単に言うと,「assetを読み込む」「ライトを置く」「シェーダをアサイン」「オブジェクトを隠す」「パラメータを変更」など,それぞれのコマンドをノードとして表現し,それらを手順としてつなげて行く事で,一つのプロセスとしてノードツリーを定義し,実行する,という感じのツールです.
Katanaはかなりの部分がPythonで書かれていて,fully scriptableで柔軟性もあり,GUIも使いやすく,かなり良くできたツールでした.自分がImageworksに在籍していた当時は色々と問題もあったのですが,あれから随分とブラッシュアップされているらしく,最近のバージョンではshading networkまで組めるようになっているとか.
記事を読む限り,Katanaを単体のアプリケーションとして売るわけでもないようですし,すぐにNukeにライティングモジュールとして搭載されるというような事でもないみたいですね.徐々にintegrateしていくという話のようです.Katanaのアイディアやツールとしてのシステムデザインを抽出するような感じでしょうかね.加えて,最近の大手スタジオのNuke移行に並び,ImageworksもNukeを使ったパイプラインに移行してゆく話が書かれています.
Imageworksは古い自社製のcompツールを(恐らく)まだ使っていて,Katanaにもある程度の事ができるcomp機能が付いていたし,Shakeのソースコードを買ったりしていたのですが,どうやら自前で整備して行くのはやめたようですね.compツールの開発はFoundaryに任せ,Katanaをそこに載せる事でそれを補完する,というのが作戦みたいです.今後,立体視作品の仕事が増える事も考えると,ネイティブに3D空間をサポートしているNukeとのコンビネーションは,なかなかいい.
ただ,Katana + Nukeがどのスタジオでも使いやすいか,と言われると,Yesとは言えないと思います.Katanaは完全にライティングに特化されたツールなので,それ以外の部分はライティング以前のパイプラインで完結しておかなければなりません.つまり,ある程度しっかりしたasset managementが出来ており,かつ分業化されている環境でないとfitしないんじゃないかな.
さて,Nukeのオリジナルの開発元,DDはどうするんでしょうねー.まあ,売っぱらってしまった以上どうしようもないんですけど,なんか寂しい感じもします.まあ,書いた人はもうDD社内にはいないんですけどね.
CTOがRob BredowになってからのImageworks,攻めの姿勢で面白いです.