メイキング・オブ・ピクサー
「メイキング・オブ・ピクサー —創造力をつくった人々」を読みました. これはPixarの沿革について書かれた本で,洋書では”The Pixar Touch: The Making of a Company”というタイトルで発売されている物の翻訳本です. The Pixar Touch – history of Pixar – Home いやー,期待はしてましたけど,メチャ面白かったです.業界の人やCG好きならもちろん,そうでなくても一気に読んでしまうと思います. 時代だったのかも知れませんが,Pixarの創設者たちがGeorge Lucas,Jeffrey Katzenberg,Steve Jobs,そして当時彼らと縁の深かったLucas Film(ILM),Disney,Apple,NeXTSTEP,及びハリウッド映画産業と複雑に絡まり,時には融合して今の地位まで登り詰めた過程は本当にドラマチックです. 「ローマは一日にして成らず」とは言いますが,彼らのあの地位は降って湧いた物ではなく,運やタイミングに助けられた事もあったにせよ,遠回りしながらも自分たちで切り開いて掴んだ地位なのだ,という事が良く分かりました.情報や知識をいくら収集して,以前誰かが解いた正解付きの問題集をやっていても,誰も解いた事のない問題に取り組まない限りそれを解く事はできない,という事ですね. とはいえ,もしDisneyが存在しなかったらPixarもまた存在しなかったでしょう.PixarとDisneyの関係はよく取り沙汰にされますが,自分はやはりPixarはDisneyに育ててもらったのだろうと思います.物語にはDisneyによるPixar買収の話も含まれていますが,その舞台裏についても色々と書かれていて非常に興味深い. 映画産業の話だけに,結局カネなの?と思うようなエピソードも多々ありますが,もしカネがあったにせよ,これが日本で起こり得た物語か?と聞かれたら,まあないだろうな,と思ってしまいます. 百年間,映画を商品として創り続けて来た経験は伊達ではないです.