Category Archives:

The Sence Of Wonder

0
Filed under

Rachel Carsonの「センス・オブ・ワンダー」を読みました.

センス・オブ・ワンダー
センス・オブ・ワンダー

「センス・オブ・ワンダー」という言葉を聴いた事がある方は多いと思います.この言葉が広く知られるようになったのは恐らくこの本に拠る所が大きいのでは無いかと思いますが,この本自体は60ページ程で,内容も穏やかなエッセイです.ふと妻の本棚で発見したので読んでみました.

英語で綴ると”sence of wonder”,本書の訳語を借りれば,「神秘さや不思議さに目を見はる感性」の事です.そして恐らくはそういう出来事に気づく感性,それに興味を持つ好奇心の事でもあると思います.

著者のRachel Carsonは,姪の息子と大自然で時間を過ごした事により,この感覚を再発見したと書いています.そして,この感覚を思い出し,いつまでも持っていようと.

情報が非常に短時間でブロードキャストされるようになり,インターネットという膨大な知識の宝庫に即時アクセスの可能な環境にいる我々には,問題と回答が同時に与えられ,評価も即物的になりがちだと思います.また,都市部に住む人々には常に大自然に触れられる生活を手に入れる事は簡単ではありません.

しかし,sence of wonderはそのような環境に左右される物ではなく,我々のような生活環境においても育んで行ける物であると思います.何かを与えられるまで待つのではなく,自分から探してみる事,答えを見る前に試してみる事,結果について考察してみる事,そして何よりも「何か感想を持つ」事です.答えを知って納得してしまい,何も感じないのは詰まらないです.

幸い,自分の周りにはこのような感性を持った人がたくさんいます.こういう人達と居ると,好奇心が刺激され,話が変な方向へ飛躍してしまう事もしばしばですが,それはまた別の興味の対象になります.

Rachel Carsonはこの著書が遺作となったそうですが,さて,自分も死ぬまでsence of wonderをもち続けたいものです.

珍道具

2
Filed under

偉大な発明の裏には,沢山のくだらない発明もある.

という事で,そんな珍発明を集めた本があるのだそうです.

101 Unuseless Japanese Inventions
101 Unuseless Japanese Inventions

内容も日本の物みたいだし,著者の名前も日本人らしい名前なのに,なぜか洋書.どんな発明が載っているかと言えば,こんなのらしい.

chindogu

面白いですねー,写真の感じからするとちょっと年代物みたいです.

博士の愛した数式

2
Filed under

妻の入院中の空き時間に読了.

博士の愛した数式新潮文庫
博士の愛した数式新潮文庫

結構話題になったようだし,映画化もされましたから,御存知の方も多いと思います.

純粋に面白かったと思いました.数学に対する憧れみたいなものが少しでもある人には,より楽しめるのではないでしょうか.

それにしても,作者の小川洋子さんは,ストーリーに登場する数式や数学的概念をこの作品の為に学ばれたのでしょうか.そうだとしたら,素晴らしい想像力と洞察力をお持ちな方ですね.小説家を生業とされている方は皆そうなのだろうか.

映画の方は未見ですが,7月にDVDが発売になるようです.

映画「博士の愛した数式」公式サイト

博士の愛した数式

博士役の寺尾聰さんは良い配役ですねえ.

中国てなもんや商社

0
Filed under

久しぶりに本を読みました.

中国てなもんや商社
中国てなもんや商社

ある女性が深く考えずに入社した会社で,中国との貿易を通して奮闘し,成長してゆく様子がコミカルに描かれています.

著者は,自虐的な文章や言い回しで物語の面白さを演出していますが,その内容は決して軽いものではありません.

急成長の階段を凄い勢いで駆け上る中国の達成感や息切れが,筆者の素晴らしい洞察力を通して記されています.

そして,登場人物達の言葉一つ一つにはそれぞれに重みがあり,中国という大きな国は想像よりも遥かに複雑である事の一端を教えてくれます.

この作品は映画作品にもなっているらしいのですが,自分は未見です.DVDは出ていないようなので,こちらで見つけるのは難しいかなあ.

てなもんや商社 萬福貿易会社 – goo 映画

精興社

3
Filed under

群ようこさんのこの本に,興味深い事が書いてありました.

ホンの本音
ホンの本音

この本自体は,本にまつわる沢山の短編が収められているエッセイ集なのですが,最後の章に,「活字の匂い – 精興社見学記」と題された,著者が精興社という活版印刷所を訪れて見聞きした事と,その時の座談が収められています.これがとても興味深い内容でした.

活版印刷がどういう物か,知識としては知っていましたが,その工程ごとに沢山の手間と職人技,そしてセンスが必要であった事に驚きました.精興社は文字も独自の字体を二年もかけて作成したのだそうです.

この本は文庫で,基本的には写植の文字で印刷されているのですが,上記の精興社の章だけはなんと活版を使って精興社で刷られており,字体も精興社の物になっています.字体に非常に見覚えがあるので,恐らく気付かないうちに色々な本で見ていたのだと思いますが,今まで全く気にした事がありませんでした.

精興社の字体は一言で言うと味のある,とても人間味溢れる感じがします.いわゆるフォントの文字とは随分違った印象を受けます.小説などにはとても合うだろうなと思います.

しかし,この本はもう十年以上も前の本なのですが,それでももう文庫本などの安い本は写植が当たり前の時代になっていたようで,座談には,活版はコストと時間がかかり過ぎるために事業を縮小するしかない,と書かれています.そして現在,精興社はもう営業をしていないそうです.

精興社という会社その物はもう無くなってしまったのかも知れませんが,彼らの持っていた技術,そして何よりも精興社書体が,どう言った形にせよ保存されている事を切に希望します.

追記(4/15/2005):
ぺこさんのコメントより,精興社はまだ営業を続けている事を教えて戴きました.ウェブページもあります.お詫びして訂正致します.
株式会社 精興社ホームページ