little things of mine

from los angeles, california

Category: 映像作品

I Am Legend

ようやく終わったという実感があります. I Am Legend アイ・アム・レジェンド 観てきましたが,なんと言ったらいいのか分かりません. ネタバレになるのでストーリーに言及するのは止めますが,とりあえず,結末が当初の予定から随分と変更されていました.恐らく我々の作業の後,新しいエンディングのためにショットを追加撮影したと思われます.Imageworksで制作したショットもかなりの数がカットになっていて,自分を含め,残念な思いをした人が多かったのではないかと思います. 実はこういう事はそれほど珍しい事ではなく,監督や配給会社の意向などで,最後の最後に大幅な変更をされたと言う話は時々あります.映画もビジネスですから,必要であれば思い切った変更も必要でしょう.それは頭では理解できますが,カットされたショットに一年以上の時間を費やした人間には,拭えない感情もあります. ともあれ,割と売れているようなので,それは救いですね. VFXは,正直言うと仕上がりに満足はできませんでしたが,限られた時間の中では頑張った方だと思います.NYの街はなかなか良くできていましたね.クリーチャーはもう少し頑張れたかな. NYの街は撮影素材にかなりの量のCGエレメントが載っています.地面に生えた植物やひび割れ,乗り捨てられた車,朽ちたビル,浸水した道路等は,ショットによって多少違いますがほぼ8-9割がCGです.他にもブルースクリーンで撮影された素材が合成されていますし,撮影したままのショットというのはほぼ無いに等しいでしょう. クリーチャーと野生化した動物は100%,全てCGで作られました.自分はこちらのシェーダをメインにやっていたので,仕上がりが今一歩だったのは心残りですが,これも実力のうちですね. VFXについて書かれた記事を見つけたので,以下にリンクを張っておきます. ….. >> VFXWorld / Feature Articles << ….. fxguide – vfx knowledge – SPI is a Legend 記事中で使われているクリーチャーのショットは,実は自分が作ったショットなのですが,映画本編ではしっかりカットされていました(笑). あとは最終的にどのくらい売れるかですね.

Beowulf

“I Am Legend”の製作がようやく終了し,のんびりした毎日を送っています. Imageworksでは平行して”Beowulf”の製作も行われていましたが,一足先に終えて既に劇場公開されています.フル3DCGの作品なので仕事量も多く,社内の友人達も殆どがこの作品に関わっていました. この作品は立体視版も同時に作られており,IMAXやReal Dが見られる劇場では全編を立体視で見る事ができます.立体視版の製作に関わった友人もいたし,評判も良かったのでReal Dで観てきました. Beowulf – Official Movie Site: Beowulf Movie 正直言うとあまり期待していなかったのですが,思っていたよりも面白かったです.ちょっと世界が狭いかな,という感じはしましたが,恐らく原作がそうなのでしょう. 映像はとても良く出来ていました.特にreal humanの表現は,過去の作品からまたもう一段階レベルが上がった感じ.”Beowulf”はR&Dにかなりの時間を費やしていましたから,良い結果が出て良かったと思います. さて,自分はこの作品で初めて立体視の作品を観ました.過去に”Monster House”と”Open Season”の立体視版を製作した事はあったのですが,以前VR系の映像を見ていて酔ってしまった経験があり,立体視映像を二時間観続ける自信がなかったのです. で,Beowulf 3Dを観た感想は,「可能なら立体視で」です. Real Dは安価な偏光眼鏡をかけて鑑賞するのですが,酔ったりする事はなく,全く普通に鑑賞できました.それどころか,通常版よりもディティールがはっきり見え,カメラの動きにも迫力が増し,とても楽しめると思います.フル3DCGな作品なら,これからは立体視版を製作するのが当たり前になるかもしれません. 日本では12/1に公開になったようですね.立体視版が観られる劇場もあるようです. ベオウルフ/呪われし勇者 そう言えば,字幕ってどうなるんでしょうね?吹き替えでしょうか?

Transformers

記事にするのをすっかり忘れてました.日本でも話題の作品,”Transformers”です. Transformers | Transformers Movie | Official Site トランスフォーマー ストーリーは何というか,ファン向けな感じがしました.好きな人は好きなんだと思います. で,ウリは映像(というかCG?)という分かりやすいハリウッド映画ですが,喧伝されている事は大袈裟じゃないです.VFX満載なショットはマジでスゲー.メインスタジオはもちろんILM,それにDigital Domainもやってます.あれだけのパーツを動かすってのは相当大変だと思いますが,全て手付けのrig/animationなのか,ある程度proceduralに作っているのか興味ありますね.こんな記事もあるので,もしかしたら手付けかも?(ちなみに記事の人は友人). 【うわさの現場潜入ルポ】第11回こはたあつこ「ジョージ・ルーカスが生みの親、ILMをご訪問〜! の巻」 – シネマトゥデイ ただ,Michael Bay監督の持ち味なのか,カメラがやたら近いショットが多くて,目の前でトランスフォームされると何が起こっているのか良く分かりませんでした.モーションブラーもかかるし.もしかしてアラ隠しの作戦なのかもしれませんが,それでもILMのVFXが他に比べて抜きん出ている事には違いありません.今年のアカデミー賞VFX部門はILMばっかりになりそうな予感. ところで,上の記事の友人はとても面白い人で,この映画に関してはこんな逸話もあります.凄い勇気です. 映画/続編は富士山で撮影!? 『トランスフォーマー』監督&ジョシュ・デュアメル来日 – cinemacafe.net 本人の名誉のために言っておくと,実際に(英語で)叫んだセリフは違ったそうです.

Ratatouille

Pixarの新作,”Ratatouille”を観てきました. Ratatouille : Rat-a-too-ee レミーのおいしいレストラン 相変わらず素晴らしいクオリティと構成です.ストーリーも良かった.監督は”The Incredibles”と同じBrad Bird.歴代のPixar映画の中でも上位に入るのではないでしょうか? 毎回Pixar映画を観る度に,これ以上絵のクオリティを改善する余地があるのだろうか,と思うのですが,毎回きっちりと前作よりも良くなっているのが凄いです.今回も例外ではなく,”Cars”から更にレベルアップしています.特に食材などの有機物,あと衣服の質感が良く表現できていました.Pixar映画は,作品毎に段々とリアルな方向へ行っている気がするのは自分だけでしょうかね. ただ,作品の質とは裏腹に,初週の興行収入は$47 millionと,歴代作品ほどのヒットとはならなかったようです.”Finding Nemo”や”The Incredibles”は初週$70 million越えでした.同じ週末に色々と競合作品があったようなので,タイミングが悪かったせいかもしれません. 今年のSIGGRAPHでは,SketchやCourceで”Ratatouille”関連のプレゼンテーションがたくさんあるようですので,行かれる方はチェックしましょう. SIGGRAPH 2007 | For Attendees ところで,日本語のタイトルはちょっと幼稚過ぎやしないだろうか?

パプリカ – Paprika

五つめ,”パプリカ”を観ました. Sony Pictures – Paprika パプリカ – オフィシャルサイト 日本では既にDVDが発売されているようですが,アメリカでは劇場公開中です.配給はSony Pictures.日本のアニメがメジャースタジオの配給で劇場公開されるのは,アメリカでは珍しい事だと思います.上映館数がかなり少ないのですが,運良く近所の映画館で観る事が出来ました. いやー,日本のアニメって凄いですね!先日の「鉄コン」に引き続き,凄く良かったです.ストーリーも面白かったし,映像もとても良かった. 正直言って,作品としてはアメリカで大金掛けて製作している3Dアニメーションよりも,日本の良質なアニメ作品の方が,遥かに面白い.っと,思うのはきっと少数派なんでしょう,ここでは. アメリカでは,映像業界とは無縁な人達にとって,アニメーション作品は子供向けとか,コメディーであるという受け取られ方をされる事が多いように思います.恐らくそれが理由で,アメリカで製作される作品は軽い内容かつメッセージ性の強くない物がほとんどです. 産業として需要と供給のサイクルを恒常的に回すためには,最大公約数な作品を作らなければならず,そうすると作品としてはあまり面白味の無い物になってしまう.アメリカのように巨大産業に成長してしまった世界では,「パプリカ」や「鉄コン」のような作品は生まれにくいのかな,と思います. 最近は日本のアニメをもっと安定した産業にしようとする動きが公民共に盛んですが,果たしてどのような道に進んで行くのか,とても興味があります. 商業化せずに産業化して欲しいという,矛盾した希望を持つ自分は我儘でしょうね.