little things of mine

from los angeles, california

Category: 仕事

performance review

今日はperformance reviewを受けました. performance reviewとは,社員の能力に対する評価と改善すべき点を,上司や担当部署の人と一緒にレビューをする機会の事で,スタイルに多少の違いはありますが,だいたいどこの会社でも一年に一回やっています. このレビューは上層部からの一方的な評価ではなく,我々自身も上司の評価を書く事もあります. さて,自分のレビューの結果は. まあ,アメリカですから褒める所は大げさに褒めてくれます.それよりも問題は改善すべき点. 思ったよりもしっかり書いてあったのですが,やっぱり英語に関して指摘されていました.今回は5人のsupervisorから匿名でレビューをもらったのですが,全員が英語力を改善するようにと書いています.native speakerからすると相当変なんだろうなあ… 海外へ出ようと思っている皆さん,英語は出来るだけ早めに準備しましょう.

分業の境界

分業制には利点が沢山あります. でも,分業だからと言って自分の仕事の範囲以外の事を知らなくても良いかと言うと,それは違うように思います. 例えば,compositerはlightingを,lightingはlookdevを,lookdevはtextureを,textureはmodelingをというように,お互いを知っているとトラブルシュートやブラッシュアップにとても役立ちます. ただ,分業な環境の場合それぞれが非常に深く専門家されているので,お互いを完璧にこなすのは簡単ではないのも事実ですが,それでも問題の所在を見極められるくらいには知っておくべきです. ところが,これが出来ない人が思った以上に多い.自分の作業の中で上手く動かない事があるともうお手上げ状態で,自分よりも上流のパイプラインにいる人や,supervisorに丸投げしてしまいます. 日本のアーティストは,それ程専門的に深くは無いけれども広く知っている人が多いので,一つ得意とする物を持っていればとても良い仕事が出来るでしょう. この時大事なのは,特定のアプリケーションでの操作方法ではなく,もっと基礎的な事をきちんと理解しておく事です.違うアプリケーションと言えど,CGに関する基礎は全て同じですから,違うのはその見え方だけです. これを誤解してしまうと,ツールの外では何をして良いのか分からなくなってしまうし,トラブルシュートでも見当違いな所に捕らわれてしまったりします. いつも自分がメニューから使っているコマンドが,何をどのように変更しているのかを意識する事が大切です.

mass of lookdev

この所,毎日lookdevばっかりやってます. 製作中の”MONSTER HOUSE”は3D feature animationですから,画面に出てくるものは全てlookdevしなければならなくて,VFXよりも圧倒的に数が多いんです. なのに,なぜか沢山のlookdev artistが次のプロジェクトに移って行ってしまったため,彼らの分を全部やらなければならなくなってしまっています. 物によって一日で終わったり,数日かかったりと色々ですが,車とかはパーツが多くてかなりメンドクサイ. でも,もうそろそろlookdevは終わらせないと,shot lightingがこれからザクザク始まります. そして,自分も悪夢のshot lightingへ…

outsource

VFXやCGアニメーションのアウトソーシングが加速されているという記事を読みました. アウトソーシング先は,シンガポール,オーストラリア,ニュージーランド,インドが多いと書かれています. これらの国々に共通するのは,政府による強いサポートがある事で,その優遇措置を受けて設立されるスタジオが増えており,アメリカ国内のスタジオやゲーム会社はこぞってコストパフォーマンスの高いこれらの国のスタジオへ外注に出しているそうです. 特にシンガポールはアジアに於けるハブとなっており,政府が知的財産に対する深い理解をもっている事,そしてLucasfilmがスタジオを立ち上げた事などが起因しているらしい. また,こう言った優遇措置を推進している地域は増えており,中国,韓国,北朝鮮,東ヨーロッパ,タイ,フィリピン,ベトナム,カナダ・ケベック州,マン島が挙げられています.自治体が含まれているのが興味深いですね. 外注として受ける仕事は小さなものばかりではなく,大きなハリウッドプロジェクトの一部なども制作されているそうで,例に挙げられているのはグァテマラにある60人規模のStudio Cという会社は,現在”The Chronicles of Narnia: The Lion, the Witch and the Wardrobe”を手がけているとの事. “The Chronicles of Narinia”は,この先三部作が予定されている,”Load Of The Rings”の次と位置づけられている大きなプロジェクトで,Imageworksでも一部を制作しています. これらのスタジオの創設者には,アメリカの大手VFX/CGスタジオで経験を積んだ人が多く,自国に帰ってアメリカからの仕事を請けているようです. こういった形態は日本でも可能ではあると思いますが,いくつか必要な事があると思います. 一番の問題は恐らく英語でしょう.前述した現在アウトソーシングを多く請け負っている国々は,英語を話す人たちの多く居る国です.日本でも英語圏の会社ときちんとしたコミュニケーションを取る事が出来れば,仕事を請ける事は出来るはずです. 二つ目は,こちらの大手スタジオでの制作をきちんと経験した人をプロジェクトに入れる事.これは私のブログでも頻繁に書いている事ですが,日本とアメリカではプロジェクトの仕切り方,現場の作業のやり方がかなり違います. 技術的には問題ありません.ただ,仕事を請ける以上,クライアント側の環境とやり方を全く無視する訳には行きませんし,大きなプロジェクトを動かすにはそれなりの方法論もあります.日本のプロダクションはこういう経験が非常に少ないですから,意思の疎通を図るためにも,経験者を入れるべきだと思います. 三つ目は,彼らが最も懸念するであろうコストの問題.日本はコストがそれ程安いとは思えないので,その辺りはもしかするとかなり譲歩する必要があるかも知れません.しかし,これをやり過ぎてしまうとセルアニメ業界のようになってしまう恐れもあるので,サジ加減が難しい所です. 東京などは自治体がこう言った産業をサポートしようという意思があるようですから,実現の可能性は少なくないと思います. 安定して仕事が請けられる環境が作れたら楽しいでしょうね.

作業の規格化 – 2

昨日の続きです. 作業を規格化した場合の副作用.それは,トラブルシューティングが出来る人が減る事です. 誰かがある程度セットアップした後,人に渡すようなやり方をしていると,ある特定の数人しか初期のセットアップが出来ず,それ以外の人はその裏で何が行われているのか知る事がなくなります.こうなると途中で問題が起きた場合,自分だけでは解決する事が出来なくなり,その数人に全てのトラブルシューティングを依存する事になるんです. もちろん,特定の人にパイプラインを学ばせて,トラブルシューティングを専門にやる人にするのも一つの方法だと思いますし,実際にそういう人達がImageworksにも居ます. これはプロジェクトを完遂させるという意味では良い方法かも知れませんが,これに甘んじている間はTD達がトラブルシューティング,即ちパイプラインの裏を学ぶ事はなく,セットアップされていなければ作業が出来ない人になってしまいます. パイプラインを元にした制作環境というのは,その環境を整える事が出来る人と,人海戦術の時に雇われる要員とではっきりと分けられてしまい,パイプラインがしっかり出来ていれば,shot lightingやshot effectには想像しているほど高いartisticな能力は必要なくなります.悪い言い方をすれば替えの利く人材で済む,という事です. この傾向は会社が大きくなると強く出る事が多いですから,大手のスタジオでパイプラインのR&Dには一切参加せず,shot workだけを専門にやって来た人というのは,実はレイオフの対象になり易いのです.必要な時にだけ居てくれれば良い訳ですから. 特にトラブルシューティングはプロジェクトの後半,時間が押し迫った頃に効いてきますから,これを自分で解決出来るか否かで生産能力に大きな違いがあります. そして,会社側もそれを良く知っています.