Posted by ますお on Jun 11, 2008 – 7:27 pm
米HPがDreamColor対応のLCDディスプレイを発表しました.
HP Press Release: HP Introduces World’s First Affordable Color-critical Display
米HP、タッチパネルPCや超薄型ノートPCなど最新製品群を発表 | パソコン | マイコミジャーナル
DreamColorというのは,HPとDreamWorks Animationが共同開発した,カラーマネージメント技術の総称だそうです.
HP DreamColor Technologies – Indigo, Designjet & Photosmart Printers
HP、ドリームワークスと共同開発の新しいカラーマネジメント技術を発表:ニュース – CNET Japan
コンセプトとしてはAdobeやAppleなどのそれと同じだと思いますが,モニタやプリンタ等のハードウエアも供給しているベンダーの強みを生かして,もっと緻密なマネージメントをしようという事だと思います.proprietary色が強いので普及するかどうかは微妙だと思いますが…
今,映像業界においてCRTモニタの確保は切実な問題になっています.高品質なCRTモニタはもうどこも製造しておらず,古い物を直しつつどうにかまかなっている状況です.経年劣化もありますし,修理もいつまでできるか解りません.業界は今後,LCD(もしくは代替の何か)へ移行せざるを得ないのですが,話はもう少し複雑です.
問題なのは,LCDモニタの色再現が技術的に不十分という事ではありません,EIZOのColorEdgeや上記のHP DreamColor Displayなどは実製作の使用に耐えうると思いますが,このクラスのLCDモニタは高価で,数百名からなる製作者全員に一台数千ドルするモニタを行き渡らせる事は簡単ではないのです.
もちろん,全員が全員color-criticalな作業をする訳ではないので,今でも安いLCDモニタのみで作業する人たちもいます.ただ,lookdev,lighter,compositorには正しい色の判別ができるモニタが必要ですし,プロジェクトの中でも最も人数を必要とする職種です.
とは言え,世界的な市場で見れば我々のような立場の人間は少数派に過ぎないわけで,製造メーカーが普及機で今よりも更に高品質な色再現性を追求していくとは思えず,このまま次世代のディスプレイ技術へ移行していく事も十分考えられます.CRTのように比較的安価に高品質化が可能であった頃はこういった問題はなかったんだろうと思いますが,現在主流のLCDモニタの場合,普及機のレベルではcolor-criticalな作業は(少なくとも我々の作業は)できません.
こういった点からも有機ELやFED,SEDには期待していますが,実製作に使えるようになるまでにはまだ数年かかりそうですね.
それまでCRTが持つといいのだけれど.
Posted by ますお on Jan 19, 2008 – 10:07 pm
突然ですが,転職しました.
三年勤めたSony Pictures Imageworksを去り,今週からDigital Domainに勤務しています.
..:: DIGITAL DOMAIN ::.. – films, commercials, video games, emerging media, music videos
新しい会社に新しい同僚達(と言いつつ知り合いも大勢居るのですが(笑))で,まだまだ右も左も解らない状態ですが,色々と面白そうなプロジェクトがあり,これからが楽しみです.
暫くはmental rayに関わる開発をやる事になりそうなのですが,以前mental rayを使っていたのはもう三年以上も前.細かい所はすっかり忘れてしまっています.APIもなんか新しくなってるし.
さて,マニュアルから始めるとしますか.
Posted by ますお on Oct 24, 2007 – 1:11 pm
”I Am Legend”の新しいtrailerがリリースされました.
I AM LEGEND
今回のtrailerにはヴァンパイアも少し出ています.まだまだ制作中なので,本当に少しだけですけど.
trailer締切日の夜まで修正し続けたショットとか,他にも自分のやった仕事が色々入っていて,ようやく出来てきたなあ,という感じ.でも相変わらずスケジュールがタイトなので,まだ心配です.
最近,体重が減りました.
Posted by ますお on Oct 17, 2007 – 10:44 pm
忙しくてたまりません.
というのも,このプロジェクトではshader writerだったはずなんですが,なぜかショットをアサインされてしまい,毎日メチャ忙しい.しかもサポートもやらなければならないので,瞬間最大風速は凄いことになっています.
lightingとcompをやるのは久しぶりです.楽しい部分もあるんですが,いかんせん時間が無さ過ぎる.もう少しやれるのに,と思ってもスケジュールの都合で流さざるを得ない時は,歯痒い思いをしてしまいます.
でも,ショットが出来上がってみると,「あー全部やった(レンダリング関係は)」という気持ちになって,ちょっと嬉しい.まあ実際には,最後の編集の段階でかなりの2D修正がかけられるため,自分の作ったショット=映画館で観るショットではないのですけどね.
やっぱり平穏には終わらなかったなあ.
Posted by ますお on Sep 11, 2007 – 6:48 pm
あんまり更新しないのもなんなので,仕事の近況でも書きます.
制作中の作品,”I Am Legend”が佳境を迎えております.アメリカでの公開が12月,我々の作業は今のところ11月の初旬までの予定です.
I Am Legend
I Am Legend (2007)
このくらい締め切りに近くなると,残業は当り前,週末や祝日も出勤になります.
時々,アメリカの会社は残業もなくて休みもしっかり取れるんですよね,と言うような事を言われるのですが,実はそれほど自由にはなりません.残業も締め切り間際だけでなく,プロジェクトの初期でもその時々で必要になる事はよくあります.有給も好きな時に取れるわけではなく,申請してもプロジェクトのスケジュール次第で,許可がでない事もしばしばです.
とは言え,ショットをやっていない自分は今現在それ程忙しくありません.ただ,サポート要員として待機している必要があって,なかなかだるい.しかも問題が起こった時には緊急の場合がほとんど.分かっていた事ですが,やっぱりこういう仕事は性に合いません.
今のプロジェクトでは,shader writerが自分を含め二人だけです.自分はキャラクター,もう一人が主にenvironmentの担当です.開発の量を見れば無理な人数ではないんですが,もう一人くらいいて欲しいかなあと思います.
Imageworksでは,現在までの所,HypershadeやSlimのようなGUI付きのマテリアルエディタは使っておらず,テキストエディタにRSLを直書きしています.”I Am Legend”でメインになるヴァンパイアのshaderなどは,外部ライブラリを除いても6000行近くあり,時間と共に付け足しをくり返しているのでコードはかなり汚いです.
PRMan 13.5ではもう少しマトモなshading systemが構築できそうですが,あまりに大きな変更なので,腰の重い大きめのスタジオでは移行するにも時間がかかるでしょう.systematicにするのは最初が肝心ですし.
ともあれ,今のプロジェクトは残り二ヶ月.平穏に終わってくれればいいのですが.