Color-critical Display
by ますお
米HPがDreamColor対応のLCDディスプレイを発表しました.
HP Press Release: HP Introduces World’s First Affordable Color-critical Display
米HP、タッチパネルPCや超薄型ノートPCなど最新製品群を発表 | パソコン | マイコミジャーナル
DreamColorというのは,HPとDreamWorks Animationが共同開発した,カラーマネージメント技術の総称だそうです.
HP DreamColor Technologies – Indigo, Designjet & Photosmart Printers
HP、ドリームワークスと共同開発の新しいカラーマネジメント技術を発表:ニュース – CNET Japan
コンセプトとしてはAdobeやAppleなどのそれと同じだと思いますが,モニタやプリンタ等のハードウエアも供給しているベンダーの強みを生かして,もっと緻密なマネージメントをしようという事だと思います.proprietary色が強いので普及するかどうかは微妙だと思いますが…
今,映像業界においてCRTモニタの確保は切実な問題になっています.高品質なCRTモニタはもうどこも製造しておらず,古い物を直しつつどうにかまかなっている状況です.経年劣化もありますし,修理もいつまでできるか解りません.業界は今後,LCD(もしくは代替の何か)へ移行せざるを得ないのですが,話はもう少し複雑です.
問題なのは,LCDモニタの色再現が技術的に不十分という事ではありません,EIZOのColorEdgeや上記のHP DreamColor Displayなどは実製作の使用に耐えうると思いますが,このクラスのLCDモニタは高価で,数百名からなる製作者全員に一台数千ドルするモニタを行き渡らせる事は簡単ではないのです.
もちろん,全員が全員color-criticalな作業をする訳ではないので,今でも安いLCDモニタのみで作業する人たちもいます.ただ,lookdev,lighter,compositorには正しい色の判別ができるモニタが必要ですし,プロジェクトの中でも最も人数を必要とする職種です.
とは言え,世界的な市場で見れば我々のような立場の人間は少数派に過ぎないわけで,製造メーカーが普及機で今よりも更に高品質な色再現性を追求していくとは思えず,このまま次世代のディスプレイ技術へ移行していく事も十分考えられます.CRTのように比較的安価に高品質化が可能であった頃はこういった問題はなかったんだろうと思いますが,現在主流のLCDモニタの場合,普及機のレベルではcolor-criticalな作業は(少なくとも我々の作業は)できません.
こういった点からも有機ELやFED,SEDには期待していますが,実製作に使えるようになるまでにはまだ数年かかりそうですね.
それまでCRTが持つといいのだけれど.