Re: テマヒマをかけるとゲームのCGは良くなるのか?

Filed under Computer Graphics

http://blog.livedoor.jp/shi3z/tb.cgi/11394742

港区赤坂四畳半社長(胎動編):テマヒマをかけるとゲームのCGは良くなるのか?

この方のブログはとても面白くて良く読ませて頂いているのですが,少し前の記事で,自分も時々考える事が書かれていました.

本質的には同じ技術・理論を使って作られている映画CGとゲームCG(リアルタイム,プリレンダリングどちらも)でも,その見た目のクオリティには差があります.これはなぜなんでしょうか.自分の現在の考えを書いてみます.

テマヒマと予算の違いももちろんあると思います.予算の問題から製作体制の違いや開発期間に違いが生まれ,ジェネラリストを多く使って製作をするやり方では,どうしても部門毎のエキスパートを使った作品に結果的に見劣りする場合が多いでしょう.

加えて,コンピュータが速くなったとは言え,映画で製作される映像の複雑度も同時に増している為に結果的な製作時間はほとんど短縮されておらず,これは今後ハードウエアがどれだけ高速化されても変わらないんじゃないかと思います.

一時期nVIDIAが映画のクオリティをリアルタイムで,と謳っていました(今でもか?).今現在のクオリティを何年か先で実現と言うのならいつかは到達出来るでしょうが,同じタイミングでその時代の映画と同じクオリティをリアルタイムで実現するのは恐らく不可能だと思います.

映画CGとリアルタイムCGのレンダリングクオリティを比べるのは酷ですし,そう言ったリソースや金銭の問題,それから良く言われる映画とゲームの映像論の違いを一切無視したとしても,映画とゲームではその製作過程で大きな違いが一つあると思います.

それは色の管理です.

我々映画CGを製作する人間,特に自分のような役割の人間は扱う画像のカラースペース(色空間)に非常に気を遣います.フィルムからスキャンされた画像,texture painterが描いたテクスチャ,レンダリングされた画像,compositeされる画像,すべてそれぞれ違うカラースペースです.

特に,実写に合成されるCGの場合は各工程においてこの管理をきちんとやらなければ馴染みの悪い映像になってしまいます.例えフルCGの映像だとしても,描かれたテクスチャを張ってライティングし,レンダリングした映像で狙った色を出す為には非常に重要な事です.また,最近リアルタイムレンダリングの分野でも流行のglobal illuminationを用いる場合はこの影響が特に顕著になります(映画CGではHDRIライティングを除いてGIは余り使われませんが).

自分がゲーム業界に居たのはもう何年も前の事ですから,現在はどうだか分かりませんが,当時はせいぜいモニタのガンマ調整をしている位のものでした.また,ゲームに拠らず日本のCGプロダクションはカラースペースに関して杜撰だった印象があります.

日本のCG映像は色の彩度とそのコントラストが低い物が多いように感じた事があります.あれは全ての処理をビデオスペースで行っているせいじゃないでしょうか.

Post a Comment

Your email is never published nor shared.